2006年第44回赤旗名人戦参戦記


参加者
太田、伊藤康
日時
2006年11月11日(土)〜11月12日(日)
場所
豊島区池袋 サンシャイン・アカデミーホール
対局結果
しんぶん赤旗 記事
棋譜
予選第2局 : 太田 - 横山氏
予選第3局 : 太田 - 北村氏
記 :太田

【@ 伝統のあるアマ棋戦 】

 赤旗名人戦。アマ竜王戦やアマ名人戦と比べてややマイナー(?)な 印象もあるが、実はアマ名人戦に次ぐ伝統を誇る、歴史のあるアマ棋戦である。 大会の正式名称は、【しんぶん赤旗囲碁将棋大会】。その名の通り、囲碁・将棋。 共に同じ会場で同時開催されるのが最大の特徴。他にこういうアマ大会はない。 隣りで囲碁の大会も同時に開催、というのもまた独特の趣があって面白いと思う。

【A 大会初の快挙:初の女性代表選手(囲碁)】

 初日の開会挨拶も同時に行われるのだが、今回囲碁の方では大会初の快挙(!) という事で、初の女性代表選手、小田彩子さん(東京)が紹介されていた。 将棋と同じく女性枠の招待選手はいるが、女性の地区代表選手は初めてとの事。 おそらく将棋と同じく東京地区の代表(!)なら、実際の腕前も相当なのだろう。 本戦トーナメント一回戦で惜敗だったようだが、その相手の北海道代表の方は、 今回3位入賞。予選は2連勝で通過されており、やはり強い、との評判らしい。 会場で少しお見かけした感じでは、どう見ても普通の大学生にしか見えなかった。 失礼ながら、代表選手、しかもそんな強い人だったとは・・・(凄いですね)。 いずれは将棋の方でも、そういう女性アマが出てくる日が来るのだろうか・・。

【B 富士通将棋部より、二人代表出場】

 今回は自分自身3年振りに本大会地区代表、という事だったのはもちろんだが、 もう一つ嬉しかったのは、伊藤康晴さんが超激戦区の東京予選で、見事に代表と なった事。正に絶好調で、夏のアマ名人戦全国大会では堂々3位入賞。優勝まで 後一歩だった。(その実績と実力からすると、見事というより順当かもしれない) やはり身内の将棋部、しかも先輩が一緒というのは、より励みになるのは確かだ。 将棋部から同時に二人代表、というのはもしかすると初めてかもしれない、とは (ちょっと意外?な感じもしますが・・)もう1人の将棋部の先輩、池田さん談。 悪天候でご多忙の中、わざわざ観戦に来て頂きまして、有難うございました。

【C 予選ブロック組み合わせ】

 受付でクジを引いて着席すると、目の前にはもう1人の東京代表、中村恭さんが 座っていた。実は3年前、本戦一回戦で負けた相手・・、中村さんも当然その事は 覚えてらしたようで、ちょっと苦笑。隣を見ると、去年のアマ竜王戦の全国大会、 予選第3局で負けた、横山幸男さん(青森)が座っている。正直ちょっとこれは・・、 自分に借りを返すように、との天命(?)だったのかと思った。本当にその通りに なるとはまさか思っても見なかったが。・・・しかしその前にあと一人がなかなか 決まらないと思ったら、何と赤旗名人経験者の、北村公一さん(山口)!となった。 今までの全国大会で一番キツイ予選ブロック。必勝を期して再度気合を入れ直した。

【D 予選試合開始】

 第1局:戦形も何と3年前と同じ矢倉脇システム(!)に。お互いに期する所も あったと思うが、残念ながら中盤から読み負けていた。借りを返せずに初戦惜敗。
 第2局:北村さんとの矢倉戦を競り負けた横山さんが相手に。絶対勝つ(!)と 気を入れて、少し苦しい(実際は超難解だった)一手損角換わりを何とか競り勝ち。 今度は昨年の借りを返し、次は中村さんの居飛穴に四間飛車で惜敗した北村さんと。
 第3局:先手番なら北村さんは四間飛車との予想が見事的中し、研究通りの右銀急戦 が決まって快勝(!)。全国大会では久々の会心譜で、予選を通過する事が出来た。
 一方伊藤さんは、初戦で全国大会2度準優勝の実績がある下平雅之さん(福岡)に 競り負けたが、第2局では東北屈指の学生強豪、佐々木佑一郎君(宮城)に勝ち、 再戦となった下平さんとの第3局を制して(流石です!)、予選通過となった。

【E 本戦トーナメント】

 代表56人のうち、予選通過の28人が決定。伊藤さんとはお互いに反対ブロック のクジを引けて、決勝で当たれるように・・との言葉を交わして本戦へ臨んだ。 自分の相手は大下慧香さん(長野)。どこかでお名前を聞いたような・・と思ったら、 村山プロが優勝した時の、小学生名人戦の決勝の相手(!)。雁木に矢倉の対抗形で 終盤捻り合いになったが、残念ながら競り負けてしまった。しっかりした将棋だった。
 伊藤さんは初戦を勝ち抜け、続く第2戦は、同じ東京代表(代表は3人)の秋山太郎 さん。結果的にはもしこの勝負を勝てば・・という対局だったに違いない。残念ながら 惜敗だった。後で秋山さんが仰ってたが、初日最後のこの勝負を勝てたのが大きかった との事・・・、勢いに乗った秋山さんは、本大会2度目の全国制覇を果たしたのだった。

【F 戦い終えて】

 流石に伊藤さんは、東京予選の借り(最後秋山さんに負け)を返せず残念そうだった。 今考えてもやはり、最後まで終始落ち着いた秋山さんの試合運びは、本当に強いの一言。 個人的にも、全国を制覇する人と自分との決定的な差を改めて感じた大会だった。今後、 僭越ながら自分の目標を現実にするにはどうすべきか、再度考える機会になったのは収穫。 来年以降も、出来る限り全国大会へ出て、自分なりに精進して行きたいと思う。

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