相手は青森代表の工藤さん。高校生。 今大会、東北地方は若い人たちが多く代表になっていたのが目立っていました。
先手番矢倉から穴熊に組替えてみたが、相手にうまく指されて 少し指しにくいのかなと考えていたのが61手目▲14歩(第1図)と取り込んだあたり。
【第1図】 1図からの指し手 △4五飛 ▲1三歩成 △3一玉 ▲4六歩 △7五飛 ▲7六歩 △7二飛 ▲1二歩 △7五歩 ▲1一歩成 △1三桂 ▲同香成 △同銀 ▲4四桂 △4二金寄 ▲4五歩 △2四銀 ▲1八飛 △1五香 ▲2四角 △同歩 ▲1五飛 以下先手勝ち |
ここ(第1図)で△12歩と受けられていると全く自信がありませんでした。
本譜は△45飛だったので、▲13歩成から何とか攻めがつながり、
まずは1勝。
終盤は詰みがあるのに詰ませることもせずに(できずに)、
相手の方に申し訳なかったです。
相手は東京代表の秋山さん。言わずと知れた超強豪。 一度職団戦で対戦したことがあり、過去1敗。
先手矢倉から相手の早い△75歩に手抜きで雁木に変形。 模様はそんなに悪くないと思っていましたが、 意表の仕掛けから桂馬の高飛び?、第2図で じっと50手目△46歩から、 54手目△53角という手順等なるほどと感心する手順で大いに勉強になった。 香損してからじっと△64歩(第3図)と落ち着かれてみると△27角のキズや △46歩の存在が気になり、以下は時間もなくなり自爆してしまった。
【第2図】 2図からの指し手 △4六歩 ▲3七桂 △3五歩 ▲7六銀 △5三角 ▲3五角 △4四角 ▲同角 △同銀 ▲6四角 △5三金 ▲9一角成 △6四歩 (第3図) |
【第3図】 3図からの指し手 ▲7五歩 △6三銀 ▲6五銀直 △同歩 ▲4六馬 △6六角 ▲7七桂 △2七銀 ▲4八飛 △同角成 ▲同金 △3九飛 ▲6八玉 △3八銀成 以下後手勝ち |
この将棋は早くに飛んできた桂馬を何とか負担にさせ、早めに 77歩と精算させるかただで取ってしまうかとずっと色々な筋を考えていたが 結局実現しないし、時間も使いすぎてしまった点が反省すべき点である。 実戦的には、気になる△77歩の筋を早く消すために▲77歩と謝ってしまう方が 良かったかもしれない。
相手は愛知代表の天野さん。これまた言わずと知れた超強豪。
一度グランドチャンピオン戦で対戦したことがあり、過去1敗。
これまた相矢倉戦となった。40手目の△14歩(第4図)が疑問手だと思うのだが、
55手目▲26銀としたところでは、先手優勢の局面になったと感じていた。
61手目▲35歩(第5図)のところでは、▲65歩と角の引き場所を聞いてみる手も
あったようだ。
【第4図】 4図からの指し手 ▲2五歩 △8五桂 ▲8六銀 △5三銀 ▲1七香 △4五歩 ▲3七銀 △4四銀右 ▲1八飛 △5五歩 ▲同歩 △同銀 ▲5六歩 △4四銀引 ▲2六銀 △3一玉 ▲1五歩 △同歩 ▲同香 △1三歩 ▲3五歩 (第5図) |
【第5図】 5図からの指し手 △4六歩 ▲同歩 △3五歩 ▲3七桂 △3四銀 ▲1三香不成 △同香 ▲1四歩 △同香 ▲1五歩 △9五歩 ▲同歩 △9八歩 ▲同香 △9七歩 ▲同香 △同桂成 ▲同銀 △9三香打 ▲9四桂 △同香 ▲同歩 △8五桂 (第6図) |
第6図から85手目▲96銀としたのだが▲86銀との比較で時間を使いすぎて
しまったようだ。
次の△77香はちらっとは考えたがさすがに無謀だろうと思っていたので
ありがたかったと感じたのだが、秒読みになった瞬間
(天野氏の持ち時間はまだ35分くらいあった。)の第7図からの97手目▲55角が
攻めでも受けでもない中途半端な手でせっかくの好局を台無しにしてしまった。
▲66角とすべきだったようだ。
【第6図】 6図からの指し手 ▲9六銀 △7七香 ▲同金寄 △同桂成 ▲同角 △7五歩 ▲6五歩 △5三角 ▲4五歩 △3三銀 ▲1四歩 △7六歩(第7図) |
【第7図】 7図からの指し手 ▲5五角 △7五角 ▲1三歩成 △9七歩 ▲9九香 △9四香 ▲9五歩 △1七歩 ▲同飛 △5七角成 以下後手の勝ち |
以下難しいところもあったようだが、時間に追われ自滅してしまった。 情けない。
結局1勝2敗で、宿泊権だけゲットし予選敗退の結果となりました。 月曜日は蒲田で仕事の用事があったので、日曜日のトーナメント本選を 準々決勝まで観戦することができました。 絶対負けたくないということがひしひしと伝わる稲葉(京都)-藤井(島根)戦での稲葉さんの 指した中盤での△51歩。 惜しくも準優勝でしたが武田氏の気迫あふれる指し回し。 埼玉の秘密兵器(誰かが言っていた)小木ポール(埼玉)-田頭(岡山)戦 での中盤でのねじりあい。等々非常に勉強になりました。 現在自分に足りないのは、技術的なことは勿論ですが、負けたくないとか 絶対最後は自分が勝つんだといった精神的な部分なんだろうと感じました。
次回は予選突破目指して頑張りたいと思います。 本当は、優勝した山崎氏の前夜祭でのコメントくらいのことが言えないと ダメなんでしょうけどね。
2009/10/5 記:赤畠