2016年第45回支部対抗戦/名人戦
第23回シニア将棋名人戦 東京都予選



第45回支部対抗戦(団体戦) 東京都予選:14チーム参加
富士通支部(A):漢那、岡本、広瀬(正)
富士通支部(B):杉山、池島、黒木
(敬称略)
日時:2016年2月7日(日)
場所:綿商会館
対局条件:予選2勝通過2敗失格(対抗戦)1勝通過2敗失格(名人戦/シニア)、時計15分30秒
結果:
支部対抗戦 東京予選 富士通(1): 優勝 (岡本)
支部対抗戦 東京予選 富士通(2): 予選敗退

支部対抗戦 東京予選 富士通A: 優勝 (岡本)

私が支部対抗戦に参加するようになってから、今回で3回目。
初参加から徐々に成績は上がり、前回大会ではベスト4入りできたことで、今回はひそかに優勝を狙えるのではないかと思っていました。
メンバーは大将から順に、漢那さん、岡本、広瀬正さん。
当日は、開始直前に予選方式が例年の1勝通過→2勝通過に変更されるルール変更がありましたが、頼もしいメンバーが揃い、トーナメント進出は容易いものだと考えていました。 ところが…

予選1回戦:vs江古田将棋教室A

相手はメンバー全員が小中学生で構成されたフレッシュなチーム。
後日調べたところによると、3人とも直近2か月以内に開催された大会で準優勝以上の成績を残していました。

実は私、今回の会場となった綿商会館では、過去2回大会に参加して未だに勝ったことがありませんでした。
個人的に相性の悪い場所で迎えた予選1回戦、私の将棋はなんと開始10分余りで終局。
相手の中飛車左穴熊に対し、中盤で駒組みの不備を咎めて快勝しました。

これで自身の同会場での初勝利を挙げると同時に、他のお二方の将棋にも弾みをつけたいところでした。
そんな中、広瀬さんは中盤の駒がぶつかった局面から秒読み将棋となり、最後は終盤で最善手が指せず負け。

漢那さんの将棋は、相穴熊から「ザ・実戦派」と言わんばかりの喰いつきから相手玉に喰いついて勝負あり…かと思われました。
ところが、相手の馬を自陣に引きつけられたり、飛車切りを強要されたりと様子がおかしい。
徐々に攻めが切れ模様になり、気がつけば漢那玉は2枚飛車で寄せられていました。

局後、広瀬さん曰く「江古田には勝ったことないんじゃないか」とのこと。
思い返せば、前回大会で決勝進出を阻止された相手も江古田チーム。
トーナメント進出どころか、いきなり予選落ちの危機に立たされました。

予選2回戦:vs天野支部

前回大会で、その江古田チームを破って優勝したのが天野支部。
実は先日、同支部所属の知り合いの方に「天野支部の連覇を阻止したいと思います(笑)」と冗談交じりのメールを送っていたばかり。
それが生き残りをかけて戦うとは思ってもいませんでした。

私の将棋は、角交換四間飛車から向かい飛車に転換する形を選択。
その後、2筋飛車先の逆棒銀から筋違い角を打つ趣向を見せるも、読みにない手を指され、気がつけば非勢に立たされていました。


図の局面。
しっかりまとまった先手陣に対し、後手陣は落ち着きがなく、いかにも空中分解しそうな形をしています。
もっとも、次に▲4三歩成△同角▲2三歩があるので、それを受けなければいけません。

図からの指し手
△5二金 ▲8四歩 △同 歩 ▲8五歩 △6五歩 ▲8四歩 △6四銀 ▲4三歩成 △同 金 ▲4六角 △2七歩 ▲4八飛 △4五歩

私は△5二金と、受けの勝負手を繰り出しました。
生半端な受けでは攻めつぶされてしまうだろうし、かといって1歩しかない貴重な持ち歩を使うのも気が引ける。
そんな気持ちの中繰り出された金上がりは、今思えば腹を割ったような手です。
これを見て、相手の寺岡氏が思わず声を上げたのがかすかに聞こえました。
金上がりを想定していなかったのでしょうか。実際に、ここでかなり長考されていた記憶があります。

▲8四歩(2回目)では代えて▲4三歩成△同金▲4四歩△4二金▲7三角成△同桂▲3一銀の展開を気にしていました。
以下△2七歩から飛車を取り合う展開が予想されますが、玉形が大差なので自信が持てていませんでした。
本譜は抑え込みが成功した形になり、以下70手ほど手数はかかったものの、駒を溜めてから反撃に転じ勝つことができました。

ちなみに、後日自宅のソフトにこの将棋の棋譜検討をさせたところ、△4五歩の局面でも未だに先手が少し良い判定が出ていました。
ソフト視点では、空中分解している後手陣の評価が低いのだと考えられますね。
後手優勢の判定が出たのはここから10手後でした。

結果は広瀬さん勝ち、漢那さん負けの2−1。
負ければ敗退という大一番を薄氷の勝利で乗り切りました。

予選3回戦:vs府中支部

例年と異なり予選通過にはあと1勝が必要。
しかし、大一番を乗り越えた私の頭の中では、不思議と負ける気が起きませんでした(笑)

戦型は、相振り飛車(▲四間飛車−△三間飛車)に。
対局前の強気な気持ちが盤上にも表れたのか、この将棋は珍しく序盤から終盤まで思い描いていた展開になり、久々の好感触でした。
漢那さんにも初日が出て、3−0勝ちでトーナメントに進出しました。

トーナメントの抽選では、シードを確定させつつ、難敵蒲田チームと苦手な江古田チームの逆の山を、漢那さんが引き当てました。
特に、シードを確定させたことで他のチームより1戦少なく済んだのは大きく、これによりお昼の休憩の時間を確保することができました。


予選2回戦 岡本−寺岡戦

トーナメント準決勝:vs公認会計士

迎えた準決勝、私の向かい飛車に対し、相手の平山氏が取った作戦は鳥刺し。
中盤、振り飛車側がリードを奪えそうな局面で、@相手の駒を捌かせるが手番を握れる順A持ち駒を駆使して抑え込みを図る順 の、大きく2通りの指し方があると考えていました。

当初はAの順を本戦に考えていたのですが、駒効率が悪く自分好みではないため決断に迷っていました。
そんなことを考えているうちに隣で広瀬さんが勝たれたため、強気に@の手順に踏み込むことに。

結果的にはこれが最善だったようで、角銀交換ながら手番を握りつつ勝ちに結び付けることができました。
以前から、鳥刺し相手には先行されると苦しい印象を持っていましたが、逆に振り飛車側から攻めの形ができて相手陣に手がつくと勝ちやすいのかなと思いました。

終局後は、もう一方の準決勝である、蒲田−江古田B戦を観戦することに。
1−1で迎えた三将戦は激戦が続きましたが、大勢が決してからは次の相手が来ることに集中して心を切り替えました。

トーナメント決勝:vs蒲田将棋クラブ

オーダー順は大将戦から、漢那−藤原、岡本−土田、広瀬正−西上(以上敬称略)の順に。
蒲田チームは前回大会と同じ3名が揃いました。その時は望外の3−0勝ちを収めることができたとはいえ、どなたが相手でも厳しい戦いであることには変わりありません。
チームが勝つためには、まず私自身が勝つことが大切であり、同時に勝って終わりたいとも考えていました。

決勝は私がゴキゲン中飛車から穴熊に潜り、対して相手の土田氏は左美濃で対抗する形に。

私自身、この局面を実戦で指したのはこれが2回目。
前回は図から△4四歩〜△4二飛と銀に狙いをつける指し方をしましたが、その瞬間に▲2四歩△同角▲6五歩の仕掛けを受ける必要があり、最終的にその将棋を落としたためあまり良い印象を持っていませんでした。
また、以前某強豪氏の対局を見ていて、△6二飛+△5二金が入った形から、△6五歩▲同歩△5六歩と仕掛けて快勝していた将棋が、頭の中にありました。


富士通(A) 決勝戦

図からの指し手
△6二飛 ▲4五銀 △同 銀 ▲同 桂 △4四角 ▲5三銀 △5二金 ▲6二銀成 △同金寄 ▲4一飛

私は力強く△6二飛と寄りましたが、指した直後に飛車寄りが大ポカであることに気づきました。
▲4五銀を見落としていたのです。 さすがに決勝の舞台でこれを見逃してくれるわけもなく、小考の末に銀をぶつけられ非勢に陥りました。

以下、限られた手段を駆使して相手玉に迫るも的確に対応され、後半は駒を並べているだけの内容になってしまいました。
決勝の舞台に相応しくない大ポカを指してしまい、終局後は戦犯を覚悟していました。


決勝 岡本−土田戦

そんな中、三将戦が終局。
最初は盤の手前側しか見えていなかったのですが、裸の広瀬玉にと金が迫っている。これはひょっとして負けか?
盤面全体を見ると西上玉に詰めろがかかっており、すぐに広瀬さん勝ちだと理解できました。

残った大将戦は、藤原玉に入玉されるかどうかの勝負になっていました。
入玉を許せば勝ち目はなかったかもしれませんが、入玉一歩手前で漢那さんが持ち駒の飛車を捨てて玉を引き戻す強手を繰り出し、以下緩みなく寄せて勝利。
蒲田戦を2−1で制し、富士通チームの優勝が決まりました。


富士通(A) 表彰

とはいえ、私自身が決勝でふがいない負け方をしてしまっただけに、最初は優勝した事実を素直に受け止めることができませんでした。
祝勝会の席でのひと時を過ごしているうちに、ようやくその実感が湧いてきました。
大会本番に備えて最新の棋書を買い、将棋倶楽部24のレートを200点ほど上げていた話を、祝勝会の席にて漢那さんから聞かされました。
一方で、最新のゲームソフト(モンハン)を買い、ハンターランク上げに時間を費やしていた私。気合の入り方が全く違いました。

東日本大会に出場できることができ、とても嬉しく思います。
また、大会後には多くの方々から祝福のコメントを頂くことができました。
その期待に応えられるように、次回は万全の態勢で臨み、数少ないチャンスを生かしたいと思います。


2016/3/16 記:岡本

打ち上げの様子
富士通支部(A)の対局結果
回戦 相手チーム 漢那 岡本 広瀬正 勝敗
予選
1回戦
江古田教室A 大将
高野
副将
窪田
三将
岩村
1 - 2
予選
2回戦
天野 大将
坂本
副将
寺岡
三将
竹村
2 - 1
予選
3回戦
府中 大将
山崎
副将
勝俣
三将
柳川
3 - 0
決勝T
準決勝
公認会計士 大将
濱野
副将
平山
三将
清水
3 - 0
決勝T
決勝
蒲田将棋 大将
藤原
副将
土田
三将
西上
2 - 0
- 3 - 2 4 - 1 4 - 1 11 - 4
優勝


支部対抗戦 東京予選 富士通(B): 予選敗退


富士通(B) 対局風景

富士通支部(B)の対局結果
回戦 相手チーム 杉山 池島 黒木 勝敗
予選
1回戦
三菱UFJ(A) 大将
吉田
副将
池田
三将
広岡
1 - 2
予選
2回戦
府中 大将
山崎
副将
勝俣
三将
柳川
1 - 2
- 0 - 2 1 - 1 1 - 1 2 - 4





支部対抗戦 東京予選 14チーム参加
支部対抗戦 東京予選 決勝トーナメント
江古田教室(A)         
  蒲田     
蒲田将棋クラブ      
      蒲田 
江古田教室(B)      
  江古田(B)   
三菱UFJ(A)     富士通(A)
         
   公認会計士  
     富士通(A) 
   富士通(A)    



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