2013年 第6回東京大学交流戦



東大交流戦 集合写真 (拡大)

開会式で挨拶をする高見四段
参加者
富士通: 13名
 鵜木、広瀬正、植木、中治、松原、北上、志田、
 滝瀬、岡本、中澤、赤荻、田辺、林吾
東京大学: 14名
 種橋、宮下森、早川、安沢、小林勇、齋藤、小山、
 大山、杉田、小倉、田中孝、二神、原田、室井
高見プロ (敬称略)
日時
2013年5月25日(土)
対抗戦 10:15〜
自戦解説&質問コーナー16:00〜
打ち上げ17:30〜
場所
対局の部:ユニオンビル 5F
宴会の部:武蔵小杉 「さくら水産」
対局結果
総括 (志田)
参加レポート (北上)
写真
結果表
参考
2012.05 東京大学対抗戦


【東大交流戦 総括】


1回戦 対局風景2

2回戦 対局風景2

3回戦 対局風景2

 さて東大将棋部と富士通将棋部の交流戦も6年目を迎えることができた。
 いままでは開催を基本的に3月と考えていて、 人の集まりがいまいちであったため今回は6月開催を試そうと思っていたが、 川崎職団戦と合宿の日程を避けたところ、 結果的に5月最後の土曜日であるこの日になった。 その結果、東大から14人、富士通から13人が集まったのだからまずは成功か。
 また、今回は高見泰地四段に指導対局をお願いした。

 さて、第一、第二ラウンドは12vs12の団体戦を行い、高見先生の指導対局に3人。 第三ラウンドは学生3人が早めに帰路についたため、残りで10vs10の団体戦、指導対局に3人とした。
 結果は、
第一ラウンド 東大 8-4  富士通
第二ラウンド 東大 1-11 富士通
第三ラウンド 東大 4-6  富士通

 1Rで意外に星が偏り、どうなるかと思ったが、 2Rは逆方向にそれ以上に偏る結果に。 第三ラウンドは接戦となったが6-4で富士通が逃げ切り、 最終的に富士通の2勝1敗、21-13で勝利!
 3連勝は広瀬正さん、連勝が岡本さんと田辺さん。お見事。

 その後は高見先生による、自戦解説、さらに質問への回答コーナー。
 自戦解説ではPCの操作は私がしたのだが、これがなかなか難しく、 先生が次の一手を出題したかったところで盤面を進めてしまった (つまり、ものすごいネタばれ)のは大失敗だった。 大変申し訳なかったが、面白い経験ではあった。

 「大学将棋部と実業団将棋部の交流戦」は、 オフィシャルな大会としては全日本選手権があるが、 このような私的な催しとなると、寡聞にして、 私は我が富士通将棋部が行っている2つしか知らない。 なぜもっと行われないのかをつらつら考えるに、 これを実現するにはいくつか条件があるのだろう。

 考えてみると、意外とハードルは高いのかもしれない。 私がもっとも誇りとするのは、このような複数の将棋部に属し、 手を貸してくれる仲間たちに囲まれ、幹事の労を取ろうと触発される場所にあり続けていることである。 とはいえ、幹事役もそろそろ肩の荷を減らして行きたいものだ。

 参加された皆様、盤駒運搬、 学生さんたちの誘導、会場設営/撤収など、ご助力いただいた皆様、ありがとうございました。 そしてもちろん高見泰地先生、指導対局に自戦解説に質問回答とフル回転していただき、ありがとうございました。
 また来年もお願いします。

2013/5/30 記:志田

【東大交流戦 参加レポート】(北上)

 今週は日中暑かったが、交流戦の日はちょっと気温も下がり対局には丁度良い按配。 学生が案内されて来ると、一・二年生が多かったせいか最初は戸惑い様に見えたが、 志田幹事の号令でテキパキ進めて交流戦は開幕。
 対戦を組むとすぐに対局に入る。

 今回の交流戦では、対角交換四間飛車対策で、 出だしは先手なら2六歩、後手なら8四歩でやると決めていた。 ただ結果的にこの日の相手には関係なかったらしい。 学生なので、てっきり皆が流行型と思いきや、4年は就活、1年生は受験勉強、2年生は居飛車党、学生だって忙しいよね。
 将棋の対戦成績は2勝1敗であったが、内容が良くなかった。 まぁ、いつもことではあるが。


1回戦 対局風景1

1回戦 指導対局風景

1回戦 対局風景3 鵜木vs種橋戦が最後でした

2回戦 指導対局風景

2回戦 対局風景1 手前は幹事の志田さん

3回戦 対局風景1

3回戦 対局風景2 歳の差60歳以上の対戦

3回戦 指導対局風景

 一局目、4年生斉藤君との将棋は対三間飛車。 序盤後手が5筋を受けなかったので、5五歩と位を取って押さえ込む作戦を採った。 第1図は3五歩と伸ばした手に2六飛と浮いたところ。

【第1図】
1回戦 北上vs斉藤氏

 実はここに至るまでも、5筋の位取りが早すぎて、5筋から反攻されると、うまくいかなかった。
 さらに△3五歩には少考しての▲2六飛だったが、かえって目標になったようだ。 局後の感想戦では、ここで▲1五歩とじっと端を伸ばす手が良いのではないかとなった。 どうも気が急いていたようだ。押さえ込みを目指していたはずなのに・・・

第1図からの指し手
△3四銀 ▲3六歩 △4二角 ▲5四歩 △3六歩 ▲同飛
△3五銀 ▲5六飛 △5四歩 ▲3六歩 △同銀 ▲4四角
△4五銀 ▲2六飛 (第2図)

 △4二角が見落とし。 ▲4六銀には△4三金と備えられてうまくいかないと考えて▲5四歩だが、 △3六歩の取り込みに▲4四角と出れないようではおかしい。 逆に押さえ込まれそうになっている。仕方なく捌き合いに活路を求める。不利を自認。

【第2図】
1回戦 北上vs斉藤氏

第2図からの指し手
△3三角 ▲同角成 △同飛車 ▲4四角 △5五角 ▲同角
△同歩 ▲4四角

 対局中は、△3八飛成▲3七桂△3三角▲同角△同桂▲3九歩△4四角で悪いと思っていたので、 △3三角は有り難いと思った。 ところが後日、激指に入力したら選択は△3三角で後手有利。 ・・・・・・。
 実戦は4四角の筋を警戒して指し進め、形勢が戻ったか。 この後、対局中は二人とも4七の▲歩を見落すという錯覚もあり、 形勢が一気に傾いたが、趣向を凝らした割には中盤の入りは悪かった。なかなか難しいものですね。

 感想戦も終えて周りを見回すと、大将戦のところだけが残っていた。 しかし、チームの勝敗は決していたようだ。

 昼食は広瀬さんから富士山盛りの案内があったが、学生のチャレンジャーはいなかったようだ。 知っている人も居たようだが、何もこの日にトライする必要もない。

 午後の対局も定刻どおりに開始。 相手は今年の新入生の田中君。 この対局も先手番になり、藤井流調に矢倉を進めてまずまずと思っていたのだが、 第3図より△4五歩、▲3七角、△4四金と立たれて苦境に立たされる。 角の引き場所は6八であったか。

【第3図】
2回戦 北上vs田中氏

 この後、十数手進めて第4図になる。

【第4図】
2回戦 北上vs田中氏

 別に手待ちをしていた訳ではなく、相手の狙いを外そうとしたら、 結果的に後手だけが指したような進行になった、しかもそれなりに時間を費やして。 対局中に自己嫌悪。このまま圧倒されて終わるかに思われたけど、秒読みになり、 田中君が暴発してくれて助かった。 受験明けと不断の努力の差が出たということにしておきましょう。ハハハ・・・(来年は厳しそうだな〜)。

 この対局も感想戦を終えてから結果を報告に行くと、 既に集計結果が出ていて、本当かしらと富士通が11勝。 それにしても皆、対局早いな〜。
 3局目開始までは時間もあり、なんとなく高見先生の指導対局席の周りに人だかり。 学生が広瀬さんとの将棋を高見先生に質問していた。 どうやら学生で取り組んでいる研究手順の変化らしい。 こうやって一つ一つ丹念に調べ上げていくのですねぇ。

 3局目、後手になる。 相手は2年生の小山君。よくある矢倉の形に駒組みを進める。

【第5図】
3回戦 小山氏vs北上

第5図からの指し手
▲5五歩 △同歩 ▲2五歩 △1三銀 ▲1五歩 △同歩
▲3五歩 △同歩 ▲1五香 △1四歩 ▲3四歩 △同金
▲6五歩 △7三角 ▲3五銀 △同金 ▲3五角 (第6図)

 穴熊に組み替えるのかと思ったら、すぐに攻めてこられた。▲2五歩には△同桂の一手だった。 ふと引いたらどうなるだろうと思い、さらに錯覚というか読み間違いをしていた。

【第6図】
3回戦 小山氏vs北上

 この局面で先手は1歩なので、△4三銀と受けて受かっているという読みだったが、 端で一枚取れるではないですか!
 ただ局後の感想戦で、小山君は△4三銀で難しいと読んでいて、 並べてみると先手有利ながら決めるまではまだ一山ありそうだった。
 実戦は△3四歩、▲5四歩、△同銀、▲4四角、△4三銀と進めたが、 4六〜4四歩と進める手が厳しく、簡単に寄せられてしまった。

 3戦目は早く終わったと思っていたが、 感想戦を終えるとやっぱり周りはほとんど終わっていて結果も出ていた。 総勝ち星は富士通が多かったが、 他人の対局をほとんど見ていないので実態はどうだったのかはわからない。

 対抗戦が終わると、高見四段の自戦棋譜解説。 ときどき笑いを取るセンスも良かったが、 さすがプロと感嘆させる読み筋を披露してくれました。 それにしても終盤40分間の読み筋は解説で駒を動かして見ても混乱しそうな手順の妙で、 本当に作ったような局面だった。 実戦でこんな手指せたら、気持ちいいでしょうねぇ〜。

 その後「さくら水産」で打ち上げであったが、なんと出席者は学生の方が多かった。 この日はフロンターレのサポ−タも流れてきて、 店内はなんとなく騒然として、声も通らず、店員の飲料運搬も遅かったりしたが、 傍目、交流は図れていたのではないだろうか。 帰り際、隣の席の客から「どういう集まりですか?」と聞かれたのが象徴的だった。

2013/6/12 記:北上

【東大交流戦 写真】


開始の挨拶をする志田さん

開会式で挨拶をする滝瀬さん

高見四段による自戦解説

急遽高見四段による質問コーナーも

 
対抗戦結果 20分30秒
No 富士通 1回戦 2回戦 3回戦 勝敗
1 鵜木 ○種橋 ●早川 ●宮下森 1 - 2
2 広瀬正 ○宮下森 ○安沢 ○早川 3 - 0
3 植木 ●早川 ○種橋 ○齋藤 2 - 1
4 中治 ●安沢 ○小山 ●種橋 1 - 2
5 松原 ●小林勇 ○齋藤 ○杉田 2 - 1
6 北上 ○齋藤 ○田中孝 ●小山 2 - 1
7 志田 ●小山 ○大山 - 1 - 1
8 滝瀬 ●大山 ○小倉 ○田中孝 2 - 1
9 岡本 ○杉田 ○二神 高見プロ 2 - 0
10 中澤 ●小倉 ○杉田 ●原田 1 - 2
11 赤荻 ●田中孝 高見プロ ○室井 1 - 1
12 田辺 高見プロ ○原田 ○二神 2 - 0
13 林吾 ●二神 ○室井 高見プロ 1 - 1
4-8 11-1 6-4 21-13
No 東京大学 1回戦 2回戦 3回戦 勝敗
1 種橋 ●鵜木 ●植木 ○中治 1 - 2
2 宮下森 ●広瀬正 高見プロ ○鵜木 1 - 1
3 早川 ○植木 ○鵜木 ●広瀬正 2 - 1
4 安沢 ○中治 ●広瀬正 高見プロ 1 - 1
5 小林勇 ○松原 高見プロ - 1 - 0
6 齋藤 ●北上 ●松原 ●植木 0 - 3
7 小山 ○志田 ●中治 ○北上 2 - 1
8 大山 ○滝瀬 ●志田 - 1 - 1
9 杉田 ●岡本 ●中澤 ●松原 0 - 3
10 小倉 ○中澤 ●滝瀬 - 1 - 1
11 田中孝 ○赤荻 ●北上 ●滝瀬 1 - 2
12 二神 ○林吾 ●岡本 ●田辺 1 - 2
13 原田 高見プロ ●田辺 ○中澤 1 - 1
14 室井 高見プロ ●林吾 ●赤荻 0 - 2
8-4 1-11 4-6 13-21
指導対局 1回戦 2回戦 3回戦 勝敗
高見プロ 田辺
原田
室井
赤荻
宮下森
小林勇
岡本
林吾
安沢
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