|
2021年 オンライン解説会 全体写真 (拡大) |
私も本日の解説会をとても楽しみにしていました。
理由として、私が居飛車党で相居飛車(矢倉、角換わり、相掛かり)の将棋を先後問わず指しており、最新戦法の動向にとても興味があるためです。
また、2010年頃の勝又先生の将棋世界の「突き抜ける!現代将棋」を読み居飛車を覚えた背景もあり、とても楽しみにしていました!
最近ではマイナビムック将棋世界Special「最少年三冠王藤井聡太」(2021/10/25初版発行)の「藤井聡太三冠のこの駒使いがスゴイ!」の特集ページの記事を読み、勉強しています。
最新情報が満載で20:00〜22:00の2時間があっという間でした!
また機会がありましたら、是非参加したいと思います。
最後になりますが、本日の解説会の企画、運営を行って頂いた皆様、および勉強になる楽しい解説を行って頂いた勝又先生にとても感謝します。
(鵜木さん、島さん、広瀬さんを初めとする企画、運営側の皆様、ありがとうございます。)
■矢倉:減少傾向
後手だけ角道が通っているため先手のアドバンテージが少ないと考えている棋士が多い。
■角換わり:減少傾向
研究されつくしており、飽きがきている。
相腰掛け銀の後手(42玉81飛型)が優秀でどこまでいっても50%50%と考えている棋士が多い。
■相掛かり:トレンド
▲36歩型が先手のアドバンテージとなる。
理解できている棋士が少ない戦型のため。
相手の手に対応する形がトレンド。
■他の戦型は「3.QA(事前質問あり)」をご参照ください。 (時間の関係上、全戦型ではありません)
■解説会の雰囲気
図2は解説会の雰囲気の図です。
質問がある際には発言ではなく、チャット欄に記載し、運営側の島さんに読んで頂く形の進行形式でした。
また、本解説会は録画NGのルールでした。
スピーディーな進行でとても良かったです。
■ターニングポイント
30手目△7一金がおもしろく、新感覚の一手との解説でした。△7二金が8三の地点を守っており、一般的な感覚とのことですが、30手目△7一金から▲7五歩、△7四歩と進み、▲8六飛車が後手にとって戦える変化であることを藤井三冠が読んでいることのすごさの解説を行って頂きました。先の先まで藤井三冠は読んでいて昔のプロ棋士の先生が指していけない手と言われていた手を指しているとの解説頂きました。
■本局に対する勝又先生の解説
豊島竜王は先手相掛かりを対藤井三冠用で採用しているとの情報(私は知らなかった)。本局も歩越し飛車、歩越し銀の形に誘導させ、後手からの無理攻めをカウンターする指し方を実現できたが、ターニングポイント周辺で豊島竜王に誤算があったようで藤井三冠の勝利。
特に藤井三冠の桂馬の性能は違うとの勝又先生解説です。マイナビムック将棋世界Special「最少年三冠王藤井聡太」(2021/10/25初版発行)の勝又先生の解説記事でも各駒ごとにページに分かれていますが、桂馬のページがトップページです!これから藤井三冠の桂馬に大注目します。
■解説棋譜(ちょうど解説会当日の棋譜です)
2021年10月22日〜10月23日
第34期竜王戦 七番勝負 第2局
豊島将之竜王 対 藤井聡太王位・叡王・棋聖
■相掛かりについてさらに解説頂きました
▲6八玉型のメリット:△7六飛が先手にならない
(詳細は解説棋譜@および佐々木勇気先生の棋書「横歩取り勇気流」浅川書房を参照2020/5発売)
▲5九玉型のメリット:相手の指し手を見て対応できること。また、端歩の意味を解説頂きました。
(詳細は解説棋譜A参照)
解説棋譜:
@ 2018-9-09-佐々木(勇)先生-藤井(総)先生
A 2021-09-02-藤井(聡)先生-斎藤(明)先生
■後手三間飛車ミレニアムの解説(事前質問)
後手三間飛車ミレニアムは減少傾向。
(理由)
先手▲8六角がポイントで居飛車は互角以上。
時間がないと居飛車持ちの見解。
後手の△8五歩が指しにくい。(8四に傷ができるため)
青嶋先生ブログのミライノートはおすすめとの情報です。
解説棋譜:
B 2021-04-20増田(康)先生ー青嶋先生
■チャット質問
Q:対居飛穴では、耀龍、三間飛車藤井システムの戦いぶりはどうでしょうか?
A:耀龍の解説を頂きました。
耀龍は減少傾向との情報です。後手三間飛車ミレニアムと同様に先手▲8六角がポイントで居飛車は互角以上との解説を行って頂きました。
また、イデオンソード(振り飛車)の解説を頂きました。△9五歩をついた後手振り飛車は評価値が高いとの最新情報です。
Q:将棋解説で、AIの一致率というのがありますが、
どうやって調べているのでしょうか?
A:AIに関して、Youtube森内チャンネルの山口さんの解説がおすすめとの情報です。また、山口さんのtwitterもご紹介頂きました。藤井三冠のパフォーマンスレート0.59とすごい終盤力を示しているとの解説を頂きました。
Q:冒頭で角換わり腰掛銀▲4八玉▲6八金▲8九飛型はプロ棋戦では現在互角に落ち着いているとのことですが、後手は具体的にはどの局面に持ち込むのが理想なのでしょうか。
A:現在のトレンドは3パターンあるとの情報です。
1.後手待機策(解説棋譜C参照)
2.▲9五歩型(解説棋譜D参照)
3. 1手ずらし型(解説棋譜E参照)
私はあらきっぺさんブログ(参考URL)で1手ずらし型は先手が誘導している形かと思っていましたので後手が戦えるとの情報は斬新でした。
[解説棋譜]
C 2021-06-03稲葉(陽)先生- 藤井(聡)先生
D 2021-10-19-郷田先生-藤井(聡)先生
E 2021-08-09-藤井(総)先生-豊島(将)先生
[参考URL]あらきっぺの将棋ブログ:最新戦法の事情・居飛車編(2021年9月号)
Q:最近の角交換振り飛車について教えてください。
また、角交換三間飛車(うっかり三間)どうでしょうか
A:流行はバランス型との解説を頂きました。
中原先生が2007年と14年前に指されていることのすごさを解説頂きました。
Q:昭和な棋士の頑張り方が伺えると嬉しいです。
A:研究を外す指し方がおすすめとの情報です。(解説棋譜F参照)
後手雁木は詰みまで研究している若手棋士がいるため研究なしでの雁木はお勧めしないとの解説を頂きました。
[解説棋譜]
F 2021-09-02-森内先生-糸谷先生
Q:ゴキゲン中飛車の最新情報をお教えいただけないでしょうか?
A:中飛車、四間飛車は組んだ瞬間にAIが-300〜-400の居飛車有利の評価値が出る時代との情報です。居飛車側が自信をもってきており、メンタル面で主流になっていないとのことでした。超速▲3七銀戦法の優秀性を解説頂きました。
また、中飛車党の人は戸辺先生の棋譜を並べることをおすすめとのコメントを頂きました。評価値よりも居飛車が初見でちゃんと指すのが大変な局面に誘導するのが後手中飛車の生き残る道との情報です。
[解説棋譜]
G 2021-03-03-勝又先生-戸辺先生
Q:角換わり△3三金早繰り銀の最新情報をお教えいただけないでしょうか?
A:勝又先生の新手年間2021年度版および千葉先生の棋書「サザンハヤクリ△3三金型早繰り銀」(マイナビ将棋BOOKS)を参照との情報でした。解説棋譜の手順に苦戦しているため流行していないとの解説でした。
[解説棋譜]
H 2021-04-16-渡辺(明)先生-山崎先生
以上です。
2021/10/28 記:伊藤竜