2016年第45回支部対抗戦 東地区大会



第45回支部対抗戦東日本団体戦:30チーム参加
富士通支部:漢那、岡本、広瀬(正)
(敬称略)
日時:2016年4月23(土)〜24日(日)
場所:墨田区 KFCホール
結果:
支部対抗戦 東地区大会: 優勝 (岡本)
主催:
日本将棋連盟全国支部対抗戦のページ

支部対抗戦 東地区大会: 優勝 (岡本)


予選1回戦

予選2回戦

予選3回戦

決勝T1回戦

決勝T2回戦

決勝戦@

決勝戦A

決勝戦B

決勝戦C

表彰後の対抗戦ベスト4集合写真

東地区優勝の表彰状

表彰後の集合写真

前夜祭での谷川会長との記念写真

2月の東京都予選での奇跡的な優勝から、東地区大会まではあっという間だった気がする。

近年では、将棋の勉強に費やす時間が以前よりはるかに減った。
自宅には直近8年分の将棋世界が本棚に並んでいるが、去年発刊されたものの大半は買うだけ
買っておいて買い溜め。最新の棋書も、買わずに本屋の立ち読みで済ますことも増えた。
将棋以外に他に時間を費やすものが増えたことが、理由の一つとして挙げられるだろうか。
東京都予選の際も、入念な準備を施していた漢那さんとは対照的に、当時モンハンにハマって
いた私はひたすら狩りに勤しんでいた。
そして、ほぼノー勉状態で結果が出てしまうと、尚更勉強しなくなってしまうのは私の悪い癖でもある。

しかし、東地区大会ばかりはそういかなかった。
東京都予選優勝後には多くの方々から祝福のお言葉や、東地区大会に向けての激励のお言葉をいただき、
周囲からの期待の高さがうかがえた。
そして、厳しい予選を勝ち抜いたからには、すぐに負けるわけにもいかないと思ったし、また何より
数少ないチャンスを生かしたい気持ちが強かった。

東地区大会1週間前。本番に向けて、まずはとりあえずとばかりに将棋倶楽部24でネット対局をしてみた。
すると、ここで致命的な欠点が浮き彫りになった。30秒の秒読みで手が全く見えない。
将棋を長年やってきて、好調時・不調時の特徴を自ら分析することができたように思う。
中でも、秒読みで手が見えないというのが典型的な不調の証であることは、自分でも十分理解していたので
これはマズイと心から思った。
幸い、流行形に対する作戦負けにならない程度の序盤の知識は一通りあったので、寄せや凌ぎといった
終盤力強化を目的に勉強に着手し、本番に備えることにした。

春に関東を離れた私は、大会前日の前夜祭に出席することなく、新幹線で東京へ移動。
東京行き最終の新幹線に乗り、宿泊先のホテルへ到着したのは0時半前だった。

予選1回戦:vs長野安茂里支部

初戦の相手は、第39回大会で優勝している長野安茂里支部。
事前の練習で秒読み将棋に不安を残していた私にとって、終盤に時間を残しておくことは
予め決めていたのだが、力戦へ誘導されたことでその野望は早々に打ち砕かれた。
前例のない展開になり長考が続く中、早い段階で漢那さんと広瀬さんが勝ち、チームの勝利は確定。
残った私の将棋は、角銀交換から飛車を詰まされてしまう見落としをしてしまうも、実際の形勢は難しく、
不思議と均衡が保たれたまま終盤を迎えたのだが…
秒読みで手が見えなくなる悪夢が蘇った。手抜けるはずの歩の突き捨てを何も考えずに同歩と取ったり、
相手玉が寄っているだろうと自分勝手に決めつけた手が全く寄らない。
極めつけは一手パス同然の手を指してしまい、投げきれない気持ちの中粘った末に最後は即詰みに討ち取られた。

予選2回戦:vs日立南支部

大会の進行上、1回戦終局後の間もあまりなく、気持ちの切り替えができていない状態で、予選2回戦は
大学生強豪の三村君を引いた。


後手番

図は角の逃げ場所を問われた局面。
本譜は△2二角と引いたが、▲6四桂△6三金▲5二桂成△7五歩▲5四歩と、単純明快な攻め筋を喰らってしまった。
代えて△5三角とこちら側に角を引くのが正着で、将来的な△6四角〜△5六歩の活用を見せて振り飛車が指せる展開だった。
角の引き場所が明暗を分け、チームも1−2で敗れた。
午前中の2局が終わり1−1となり、次戦に予選通過を掛けることに。
最も、未だ白星がない私には昼食のお弁当がすんなり喉を通らなかった。

予選3回戦:vs 伊勢崎福祉百人会支部

生き残りをかけた予選3回戦は、私の石田流に相手は右四間飛車。
中盤で押したり引いたりの攻防があったが、気がつけば誰がどう見ても振り飛車勝ちの局面に持って行けていた。
しかしここからがおかしい。相手が最後のお願いをしてきたところをまともに受け流すことができず、攻めの金を
取られた手が逆に自玉が詰めろになる展開にまで形勢が混沌とした。
ただ元の形勢差が大きく逆転には至らず、手数はかかったが勝ちきることができた。
それにしても、1つ勝つのがこれほど大変な日が他にあっただろうか。それだけに1勝の大きさを痛感した将棋となった。

トーナメント1回戦:vs長野安茂里支部

予選を通過して迎えたトーナメント1回戦。相手は予選1回戦で対戦した長野安茂里支部。
同じ対戦カードで、更には手番も同じという、負けた自分としては借りを返す絶好の機会となった。

私が選んだ戦型は角交換振り飛車穴熊。
負けた方が手を変える、というよくあるセオリーにちなんだ格好となったが、仮に予選1回戦で勝っていたとしても
作戦を変えていたかもしれない。
対する居飛車側の対策は、矢倉や銀冠といったメジャーなものではなく、2枚の銀を攻めに参加させる意欲的なもの。
おそらく私にとって初見だったと思うが、互いに駒組みが終わった局面は、玉形に差があり実戦的に居飛車が勝ち
にくい形勢になっていたようだ。
本譜は相手の攻めに対し気持ちの良い切り替えしが決まり、以降はこちらの攻めを見るだけの展開になった。
他のお二人の将棋は、初戦のようにすんなり勝たせてはもらえなかったが、終わってみれば3−0勝ち。

トーナメント2回戦vs:会津王将会支部


後手番

この将棋は相三間飛車から乱戦模様に。
図の局面は角金交換ながら先手玉は歩切れで、玉形も整っている後手が指せると思う。
私としても、類似形を過去に何度か経験していたのが心強かった。
図から△1三桂▲8五歩△2五桂▲6五銀△1七桂成と、桂の三段活用から先手陣を突破し、
最後は長手数ながら即詰みに討ち取ることができた。
チームは広瀬さん勝ち、漢那さん負けの2−1で大会2日目に進出。

ベスト4以上を確定させたことで、大会規定により四段免状が贈られる本大会。
1日目終了時点では、「2日目はボーナスステージだ」なんて、ふと思った。
ただ、来年以降はもう参加できず、リベンジの機会は与えられない。
そう思うと、不思議と気力が落ちることはなかったと思う。
1日目の夜は、宿泊先ホテルでの夕食を経て、佳境を迎えていた名人戦第2局の終盤戦をニコニコ生放送で楽しんだ。

トーナメント準決勝:vs東葛支部(B)

準決勝は、日立南支部を破った東葛支部(B)。
私の将棋は、相三間飛車の序盤で相手に致命的なミスがあり、開始早々でリードを奪った。
どう見ても必勝形なだけに、逆転だけはされないようにと慎重な指し手が続いた。
結果的に、相手の面倒を全て見てから攻勢に転じ、白星一番手となった。

私に続いて広瀬さんが勝利し、決勝進出が決まった。
2日間観戦に訪れていた竹村さん曰く、「あまりにも勝負を急がない」と評判の広瀬将棋だったが、
この一局はまさにその典型例で、相手の居飛車穴熊を抑え込んでの勝利だった。
しばらくすると、敗勢濃厚だった漢那さんの将棋は、持ち前の勝負術が炸裂して逆転勝ちしていた。

決勝:vs栃木県中支部

決勝戦の相手は栃木県中支部。
難敵とみていた翔風館支部を破っての決勝進出だっただけに、一層気が引き締まった。
戦型は序盤に駆け引きがあって、私の角交換四間飛車になった。


後手番

図は▲4五銀とぶつけられた局面。
様々な応手があった中、ここから△2三歩▲4四銀△2四歩▲6一銀△5一飛▲7二銀成△同 銀▲4五桂と進行。
最善の対応が結局読みきれないまま、本譜の順に進めたが桂を攻めに活用させる展開になり少し損をしたと思っていた。


数手進んで図の局面に。
実は大会後日、この将棋を自宅のソフトに棋譜解析させたのだが、なんと図の局面は評価値0!
駒がぶつかって開戦してから全くの互角と言うのは珍しく、評価値を見て大変驚いたものである。

図からは▲6二金や▲9五歩といった攻めが考えられたかと思うが、本譜は▲7一角△8二銀▲9五歩!と、
角を見捨てる驚愕の攻めを見せてきた。しかしさすがにこれは勢いが良すぎたか。
この後は駒得を活かして受ける展開に回り、徐々に相手の攻めが細かくなるのを待つ方針でまとまっていたので、
楽な気持ちで指すことができた。
ただ、実際には相手の攻める時間が長く、こちらが攻める順はなかなか回ってこなかった。
それでも、受けの手を続けるごとに持ち駒が徐々に増えていったので、我慢強く受けに徹せばゴールが見えてくると思った。
最後は自玉を安全にしてからカウンターパンチを炸裂させて、勝利を手繰り寄せることができた。

本大会は、これまで終局した最初の2局でチームの勝敗が決していたが、
決勝戦はまず最初に漢那さんが勝ち、続いて広瀬さんが負けたことで、1−1で自分の将棋が残っていた。
総手数180手で制し、自分の将棋が優勝を決める一局に。
東京都予選の決勝ではふがいない負け方をしただけに、その借りを返した格好になった。
また、この一週間は秒読みに突入してからの手の見えなさに苦悩する日々が続いていたが、この将棋は30秒将棋になっても
不思議と焦りはなかったと思う。

思い返せば、東京都予選のトーナメントでシードを引くことから始まり、苦手意識を持っていたチームが直前に敗れるなど、運に恵まれたチームだった。
私としても、数少ないチャンスを生かすことができ、東日本でbPのチームの一員になれたことを誇りに思う。
大会期間中は何人かの方々に応援に来ていただき、対局が終わるたびにお声を掛けていただけるなど励みになった。
また、将棋とは関係のない知人からも祝福の言葉を頂くことができ、改めて優勝できたことの大きさを実感した。
来年からはメンバーを一新して新しいチームでの出場になるが、我々の後に続くチームが再び支部対抗戦で活躍してくれることを願う。


2016/7/16 記:岡本
富士通支部(A)の対局結果
回戦 相手チーム 漢那 岡本 広瀬正 勝敗
予選
1回戦
長野安茂里 大将
副将
三将
2 - 1
予選
2回戦
日立南 大将
副将
三将
1 - 2
予選
3回戦
伊勢崎福祉百人会 大将
副将
三将
3 - 0
決勝T
1回戦
長野安茂里 大将
副将
三将
3 - 0
決勝T
2回戦
会津王将会 大将
副将
三将
2 - 1
決勝T
準決勝
東葛(B) 大将
副将
三将
3 - 0
決勝T
決勝
栃木県中 大将
副将
三将
2 - 1
- 5 - 2 5 - 2 6 - 1 16 - 5
優勝


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