2006年東西合宿 4回戦 島vs伊藤健

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2日目 第4局 @ かんぽの宿焼津
下手:伊藤健
上手:島(2枚落)
持ち時間 30分30秒

 東西合宿で伊藤健二さんと初めて対局しました。 手合いは二枚落ちです。

 伊藤さんは最近ブランクから復活されて職団戦にも参加されていますが、 大泉さんから、以前の本社将棋部時代には大泉さんに次ぐ副将として職団戦等で 活躍されていたことをお聞きしていました。 そのような方に二枚落ちという手合いは、半端な厳しさではないでしょうが 厳しすぎる位の手合いは自分としてもむしろ歓迎です。

 ただし自分としてはこの1局、行儀良く型どおりのコマ落ち上手を務めるのでなく 立ち上がりから貪欲に紛れを求め、最大限に勝ちを求める中で 初めて対局する伊藤さんの棋風や力に触れてみたいと考えていました。

 そんな次第で、序盤から上手は定跡も何も無く、胡散臭い立ち上がりを見せます。 対して下手は、上手の変則的な指し手にも動かず・我関せずの基本に忠実なコマ組み。 かわりにスイスイと飛ばし、持ち時間を温存。 反応して上手は掟破りの猛攻に出るが、これをスイスイとかわす下手の手が初めて 止まったのが73手目△2四歩の局面。 このあたりから局面は紛れの気配を見せるが、驚いたことに下手は、 玉が裸になろうが飛車がいじめられようが、全く焦る気配を見せない。 落ち着き払って受け流す方針を継続し、むしろ96手目▲1八飛は歩切れの上手の攻めが 息切れしているのを見越している。 差す手のなくなった上手の△4七馬を誘い▲3六桂のカウンター、そして最後の罠の111手目 △5六銀〜△4四同金に対して残り時間を投入し、▲5二銀の決め手。 あとの収束は素早く、そして確実でした。

 まったくどちらが上手なのかわからないような将棋で、知識や付け焼刃でない伊藤さんの力に触れ こちらとしても大変勉強になった一局でした。  伊藤さん有難うございました。そして合宿の全勝優勝おめでとうございます。 またの対局機会を楽しみにしております。

記 :島 (6/23) inserted by FC2 system